焼岳登山レポート

西糸屋山荘泊~中の湯下山

2021年9月4日(土)~ 5日(日)

9月4日(土)

上高地は夕方から雨となり、時折激しく降る時間帯も。
西糸屋山荘に集まった参加者の皆さんは、美味しい夕ご飯をお腹いっぱいに食べ、明日に備えました。
夕食後には火山講習で、火山に登る上での心構え、噴火した際の行動などを学びました。解説と映像に見入る表情はとても真剣でした。

9月5日(日)

雨は未明にやみました。厚い雲に覆われていて、目指す焼岳の姿は見ることができません。5:30、ひとけのない上高地を歩き、登山口からいよいよ出発です。

歩いていると次第に日差しを感じるようになり、森の中に木漏れ日が差し込み始めました。小さなはしごをいくつも登り終わった頃、空にはきれいな青空が広がりました。

慎重に大はしごを登り、しばらく行くと視界が開け笹原になり、ほどなく焼岳小屋に到着しました。

焼岳小屋を過ぎると岩稜帯になります。転倒や捻挫に注意しながら登っていくと、次第にガスに包まれてあたりが見えなくなってしまいました。
大きな岩が出てきたり、斜面が急になったり、硫黄の匂いがしたりと、このあたりが一番しんどい時間帯でした。

無事に登頂しました。雲の中で展望はありませんでした。少し休憩をして写真を撮ったら、足早に山頂を後にしました。
シューシューと音を立てて勢いよく吹き上げる噴煙の横を通り、大きく口を開けた火口湖を目の当たりにすると、ここが「火山」であることを実感します。

ガラガラとした下り斜面はとても気を使いました。転倒に気をつけながら慎重に下ります。
樹林帯の手前まで下ってきたところで、雲間から穂高連峰の姿を見ることができました。目の高さにそびえるその迫力に、束の間疲れを忘れて見入ってしまいました。

中の湯まではひたすら下りが続きました。木の根が滑りやすく、ずっと神経を使います。長距離、長時間歩いて来たため、最後は足が棒のようでした。
最後まで気を抜くことなく、ようやく中の湯温泉旅館に到着した時には本当にホッとしました。到着してしばらくすると雨が降り出し、滑り込みセーフでした。

<参加者の声>