2020年10月27日(火)
日帰りで訪れる方が多い上高地ですが、上高地に泊まるともっともっと堪能することができます。
夜明け。
穂高連峰や焼岳の上の方から輝き出す姿。
山の稜線から太陽が顔を出す瞬間。
厳かな空気に包まれる時間です。
氷点下に冷え込む朝。
木々には霜が降り、白く染まっています。
そのコントラスト、そして朝日が当たるときらきらと煌めく光景。
時間が経つと消えてしまう、朝だけのシーンです。
夕方。
柔らかい日差しが、紅葉の色合いをより引き立ててくれます。
斜めに差し込む光が陰影を浮かび上がらせ、立体感とコントラストが増します。
そして、夜。
数え切れないほどの星たちが空を埋めます。
夕方、夜、夜明け・・・、泊まった人だけが堪能できる風景の数々。
ぜひ上高地で過ごすすべての時間を満喫してほしいです。
(今井 清)
2020年10月25日(日)
先週降った雪がだんだん溶けて、黒い山に戻ってきたな~と思ったら、昨日は再び雨。
そして今朝起きてみると、再び山は雪化粧していました。
この時期は降ったり溶けたりを繰り返しつつ、だんだんと白く、冬へと向かっていきます。
「上高地も雪が積もるか?」と思いましたが、雪景色にはなりませんでした。
でも宿の屋根や木道の上はうっすらと白くなっているので、ぎりぎりでしたね。
テーブルの上や河童橋はつるつるに凍っていました。朝早く散策される方は、転ばないように注意してくださいね。
カラマツの黄葉がピークを迎えています。
太陽が当たると黄金色に輝き、森の中がふんわりと明るくなります。
風が吹くと葉が落ちて「金色の雨」が降っています。もうすぐ黄葉も終わりに近づいています。
明神池の紅葉もとってもきれいになっていました。
神秘的な明神池は、紅葉の時期はより一層美しさをますように思います。
お昼頃には長蛇の列ができていました。
風が強いと体感温度が下がり、とても寒く感じます。
気温だけでなく、日差しや風の有無によっても寒さが全然変わってきますので、調節のできる服装で来られることをお勧めします。
(今井 清)
2020年10月18日(日)
昨日はしとしとと冷たい雨が降っていて、あたりは雲に覆われて何もみえず。
そして一夜明け、朝もやの中から浮かび上がったのは、雪化粧した穂高連峰でした。昨日の雨は、山の上では「雪」だったんですね。
山の上は白、中腹は茶色、下は紅葉や針葉樹の緑という、三段紅葉が見れました。10月中旬に雪が降るのは珍しくないですが、これだけしっかり降って真っ白になるのは珍しいです。1日にして季節が秋から冬に変わったよう。
太陽が登ると真っ白に光り輝き、眩しい姿。「雪化粧」の情報を朝早くチェックして、急いで日帰りで訪れた人も多かったようです。
この時期は雨が雪に変わり、秋と冬が行き来する季節。どちらにも対応できるように、しっかりと暖かい服装を用意してお出かけください。
(今井 清)
2020年10月16日(金)
気温が下がり、穂高連峰や涸沢の紅葉は次第に上高地へと降りてきました。河童橋あたりから穂高連峰を眺めると、紅葉が山肌を降りてきている様子がよくわかります。
きれいに色づいている葉もあれば、早くも散り始めている葉もあり、日に日に様子が変わっていきます。
上高地の紅葉は広葉樹だけでなく、カラマツも代表的です。バスターミナル周辺や焼岳の山肌は特にきれい。日が当たると金色に輝く光景は、うっとりとする美しさです。
この時期は日を追うごとに変化していきますので、訪れたその日その瞬間に見れる景色との出会いを楽しんでください。
(今井 清)
2020年9月26日(土)
9月末になり、いよいよ秋の気配が強まってきました。
朝晩の気温は一桁になり、上着を1枚着たくなる寒さです。日中は15℃くらいなので、散策するには気持ちいい陽気です。温度調節ができる服装でお越しください。
冷え込むようになると、紅葉がぐっと進みます。この時期は草も木々も日に日に色合いを変化させていきます。そして、朝・昼・夕の日差しの加減でも色合いが違って見えますので、ぜひその瞬間の景色を楽しんでみてください。
空気も澄んできて「空が高い」季節でもあります。空気中の水蒸気がないため、晴れていれば穂高連峰の岩肌がキリッと見えることでしょう。
ここへ来てようやく上高地に賑わいが戻ってきました。せっかく大自然の中に来たのですから、ゆっくり景色を楽しんで、いっぱい深呼吸をして、リフレッシュしていってくださいね。
(今井 清)
2020年9月2日(水)
短い夏休みが終わり、あっという間に9月になりました。
夏休みの反動でこの時期は観光客がぐっと減り、つかの間静寂を迎える上高地。逆に言うと、「すごく静かな上高地」を楽しめる時期でもあります。この時期に訪れる方はかなりのツウと言えるでしょう。
台風さえこなければ、とても天気が安定している時期でもあります。少し暑さが和らぎ、空も山も澄んでよく見えるようになります。雲は秋の雲に変わってきました。
夏はだいたい午後には雲が湧き、夕方には夕立が降ることが多いのですが、今年はあまり夕立がありません。そのお陰で梓川は透明のままなんですが、水位が減って河原が広くなってきています。
「人が少ない」というのは、静かに散策を楽しめるのでとてもラッキーなことなのですが、あまりに人が少ない時の森歩きは少し心配にもなってきます。鈴を鳴らすなどして、周りの動物たちに「人」の存在を教えてあげてください。
少しずつ色づいている葉が出てきました。一足早く「秋」を探してみてください。
(今井 清)
2020年8月14日(金)
お盆休み真っ只中の上高地は快晴になりました。
日本中が「猛暑日」となっているせいか、「避暑」で上高地を訪れている方が多い気がします。
上高地でも日中は25℃くらいまで上がるので、マスクを着けての散策は熱中症にご注意ください。屋外ですので、適度に距離を取ってもらえれば、マスクを外していいと思います。
日向は日差しが強いのでカーッと暑さを感じますが、森の中に入ると暑さが和らぎます。また梓川の水は冷たいので、河原にはズボンをまくって川に足をつける人の姿も目立ちました。
気温が高いとお昼には雲が湧いてきます。天気の急変にはくれぐれもご注意ください。
また散策の際は水分補給をお忘れなく。木陰で休んだりしながら、ゆっくりと散策してください。
(今井 清)
2020年8月9日(日)
お盆休みに入り、親子連れの姿も増えてきました。
この日は朝は強い雨と風、その後雨はやみ空が明るくなってきたので「これはいいかな?」と思っていたら、お昼前にまた白くなるほどの強い雨、そして夕方には日が差してくる・・・と、クルクルと天気が変わる1日でした。
大気の状態が不安定なのと、夏の山の天気で雲が湧いて突然雨になることがあります。
雨具を持っていない方が多く、売店の近くにいた人は慌ててビニールカッパを買ってましたが、近くにお店がないところでは木の陰や東屋で雨宿りをしていて、とっても「密」になっていました。
上高地は1,500mの山の中なので、突然天気が急変することがあります。また夏は暖まった空気が上昇気流になって、山の上で冷やされて雲が湧き、夕立になることもあります。
散策の際には必ず雨具をお持ちください。
また雨が降るとすぐに水たまりやぬかるみができますので、ヒールやパンプスなどでの散策はおやめください。
(今井 清)
2020年8月1日(土)
8月になってようやく梅雨があけました。
毎日のように降っていた雨がやみ、久しぶりに顔を出した青空は、すっかり夏の空になっていました。
日差しがとても強いので暑く感じますが、日陰や森の中に入ると涼しいです。
夏休みに入ったところもありますが、今年はとても静かです。
長雨、そして大雨の影響で通行止めになったり、散策路も傷んだ箇所があった今年の梅雨。
まだ一部通行できない箇所も残っていますので、散策の際には十分お気をつけください。
詳しくは自然公園財団のホームページをご覧ください。
(今井 清)
2020年7月23日(木)
ほとんどの散策路が通行可になりました。
【大正池~田代橋】
林間コース:通行可(注意してお通り下さい)
梓川コース:通行止め
【田代橋~河童橋】
通行できますが、一部傷んでいるところがあるので、通行には注意が必要です。
【河童橋~明神】
梓川左岸コース:通行可(注意してお通り下さい)
梓川右岸コース:通行可(注意してお通り下さい)
詳しくは自然公園財団のホームページをご覧ください。
(今井 清)
2020年7月21日(火)
散策路が一部通行可になりました。
【大正池~田代橋】
林間コース:通行可
梓川コース:通行止め
【田代橋~河童橋】
通行できますが、一部傷んでいるところがあるので、通行には注意が必要です。
【河童橋~明神】
梓川左岸コース:通行注意
梓川右岸コース:通行止め(岳沢湿原までは行けます)
詳しくは自然公園財団のホームページをご覧ください。
(今井 清)
2020年7月13日(月)
大雨の影響で、散策路が冠水したり崩れたりして通行止めになっています。
【大正池~田代橋】
通行止め
【田代橋~河童橋】
通行できますが、一部傷んでいるところがあるので、通行には注意が必要です。
【河童橋~明神】
右岸は岳沢湿原まで、左岸は小梨平まで行けます。
そこから先は通行止めで、明神までは行けません。
詳しくは自然公園財団のホームページをご覧ください。
(今井 清)
2020年7月3日(金)
7月になり、「夏」の雰囲気が濃くなってきました。
梅雨の雨が降る度に穂高連峰の雪解けが進み、残雪も残りわずかになってしまいました。
雨が降っても、大正池や梓川はエメラルドグリーンをしていて、ちょっと驚きました。
新緑から深緑へと変わり、緑の色がとっても濃く、森も日差しを遮るほど木々に覆われてきました。雨が降ると森は生き生きとし、空気がより一層濃くなっているように感じます。
驚くほど人が少ないこの時期は、本当に静かな散策を楽しむことができるので、贅沢な時間を過ごすことができます。聞こえてくるのは鳥たちの鳴き声と、川のせせらぎだけ。かなり狙い目です。
まだ営業を開始していない宿があったり、売店があったりします。上高地に入るシャトルバスも7月18日(土)からようやく通常ダイヤに戻ります。このタイミングでいよいよ上高地は全面的に営業開始を迎えそうです。
公共交通機関や宿の情報など、最新の情報をお確かめの上お出かけください。
また、地震や大雨の影響が出ている場合もありますので、くれぐれもお気をつけください。
(今井 清)
2020年6月29日(月)
7月18日(土)から「松本~新島々~上高地」「さわんど駐車場~上高地」「高山・平湯温泉~上高地」の各路線バスが通常ダイヤでの運行となります。
7月17日(金)までは
松本~新島々~上高地路線:1日往復6便の特別ダイヤ
さわんど駐車場~上高地路線:運休
高山・平湯温泉~上高地路線:1日往復8便の特別ダイヤ
となりますのでご注意ください。
各施設や交通機関、その他情報は上高地公式サイトで最新の情報をご確認ください。
(今井 清)
2020年5月25日(月)
【施設について】
すでに営業を開始しているところ
6月1日から営業を開始するところ
まだ臨時休業しているところ
があり、施設によって対応がまちまちです。当面は「開いているところもあれば閉まっているところもある」という状況になります。
【交通機関について】
沢渡(さわんど)地区の松本市営駐車場、バスターミナルは6月1日から営業開始
アルピコ交通は松本~新島々~上高地の路線バスが特別ダイヤで運行。ただし、さわんど駐車場~上高地の路線バスは引き続き運休しているため、松本からの路線バスに乗車する形になります。
濃飛バスは6月1日から特別ダイヤで運行開始
いずれもまだ本数がかなり少ないのでご注意ください。
【歩道について】
小梨平~横尾までの梓川左岸登山道は地震の影響で落石、土砂崩れ、地割れなどがあり大変危険な状態です。通行自粛となっています。(インフォメーションセンター)
各施設や交通機関、その他情報は上高地公式サイトで最新の情報をご確認ください。
(今井 清)
2020年5月16日(土)
上高地地域の一部の施設が5月16日から営業が開始されます。
路線バスも再開されますが「往復3便 」とかなり本数が少ないのでご注意ください。
各施設や交通機関の情報は上高地公式サイトで最新の情報をご確認ください。
(今井 清)
2020年5月8日(金)
2020年4月18日(土)
2020年4月1日(水)
山と溪谷2020年5月号増刊は「最も美しい上高地へ」と第して、1冊まるごと上高地特集です。
上高地の美しさ、四季、エリアガイド、イラストマップ、自然、生き物など、上高地の魅力が存分に詰まった“永久保存版”な1冊です!
また周辺の山々も紹介されていて、上高地をベースにした北アルプスの楽しみ方も感じてもらえます。
もちろん、ランチ、カフェ、スイーツといったグルメ情報も見逃せません。
上高地に行く前に読んでイメージを膨らませ、
旅行中に読んでより楽しみ、
帰ってきてから読んで余韻にひたり・・・、何回も楽しめることでしょう。
上高地にまだ来たことがない人へ。
上高地というところは、1冊の本になるほど素晴らしいところです。
今年はぜひ訪れてみてください。
(今井 清)
2020年3月23日(月)
春と冬が行ったり来たりするこの時期。
とても暖かい日があったり、雨が降ったりして「春が近づいて来たかな?」と思ったら吹雪になってまた冬に逆戻りしたりします。
晴天となったこの日は、先日降った雪で穂高連峰は真っ白に輝いていました。
ただもともと今年の冬は雪が少なかったので、上高地内は雪が溶けて地面が見え始め、緑が増えてきました。
この調子でいくと、いつもより早く春が訪れ、花の開花時期も例年より前倒しになりそうです。
暖かくなってきたせいか、サルたちも活発に活動していました。
元気に走り回る姿、木の枝や笹を食べている様子が観察できます。
「こんなものを食べて冬を越しているのか」というのがよくわかります。彼らもきっと芽吹きの季節が待ち遠しいことでしょう。
道路が除雪され、ダンプカーなどの工事用車両が頻繁に往来しています。釜トンネルや車道の歩行にはくれぐれもご注意ください。
これからは宿泊施設の準備のため、業者さん、施設関係者の車両も増えてきます。
道幅が狭い箇所もありますし、日陰などはツルツルに凍ってますので、転倒にも注意してください。
4月27日の開山まであと1ヶ月あまり。
いよいよ上高地が目覚め始めます。
(今井 清)
2020年3月12日(木)
上高地開山祭まで1ヶ月あまりとなってきました。
しかしながら、残念なニュースが入ってきました。
今年の開山祭は「中止」になりました。
関係者のみによる安全祈願式を執り行うとのことです。
(詳しくは上高地オフィシャルサイトをご覧ください。)
吹雪の中開催された2019年の開山祭の様子
アルプホルンによる演奏がまさしく「今シーズンの幕開け」を告げ、穂高神社の神官さんによる山の安全祈願に身が引き締まり、鏡開きとその後の宴でにぎやかに祝い・・・。
毎年3,000人以上の方が訪れる盛大な一大イベントだっただけに残念です。
それでも、今シーズンの安全と繁栄を祈って、この日を迎えたいと思います。
(今井 清)
2020年2月27日(木)
2日前に「恵みの雪」が降ってくれました。
再び雪に覆われ、あたり一面もふもふしてます。
新雪の上を歩けるのはスノーシューの醍醐味です。
タイミング良くスノーシュー日和になりました。
穂高連峰の姿が見えることを期待しましたが、この日は終日はらはらと粉雪が舞う天気。
こんな日は雪を楽しむに限ります。
今年はしっかりとした雪景色がなかなか見れない冬だったので、雪が降り続く景色がありがたく感じました。
幸い風が穏やかだったので、歩いていればあまり寒さを感じないほど。
音もなく静かに降り続く雪はドラマチックで、辺りの景色は幻想的に霞んでました。
やがてニホンザルの群れに遭遇。
まったく人に会わなかったので、人間よりサルの方が圧倒的に多かったです。
木の枝をかじったり、川辺の石をひっくり返して何か食べていたり、サル達はたくましく寒さの中で生きていました。
小さい子ザル達もいっぱいいて、とっても可愛らしかったです。
周りの山々は上から下まですっぽりと雪雲に覆われていたこの日。
帰り際にほんのわずかな時間だけ「奇跡」が訪れました。
すぅっと雲が薄くなり、わずかに青空が見え、山の稜線が姿を現しました。
そして目の前に荒々しい焼岳の姿も。
その後すぐにまた雪雲に覆われてしまい、まるで「幻を見た」ような感覚になりました。
やはり「山の天気」ですね。
晴れの景色が見たいけど、雪も降ってくれないと困るし。。。
私達のわがままはきりがありません。
その日その時、ありのままの姿を楽しむくらいがちょうどいいのかもしれませんね。
3月に入ると、少しずつ冬の終わりへと近づいていくことでしょう。
あと1ヶ月はこの「冬の上高地」の姿を楽しみたいものです。
(今井 清)
2020年2月20日(木)
上高地は2月なのに先週末はしっかりと「雨」でした。
雪が溶け、それがまた凍り・・・と、なかなか厳しいコンディションでしたが、先日雪が降ってくれたお陰で、再びコンディションが回復してくれました。
ナイスなタイミングでスノーシューに出かけてきました。
気温-5℃、風が穏やかだと、歩いていて体がポカポカしてきます。
風が凪いでくれたお陰で、大正池が水鏡になって穂高連峰を映し出してくれました。
再び雪化粧をした峰々の白さが眩しいです。
ふわふわの雪の感触を楽しみながら、散策を楽しみました。
雪の上にはたくさんの動物の足跡。
「人間の足跡より、動物の方が多いんじゃない?」ってくらい。
これだけたくさんの動物がいると思うと、うれしくなってきます。
この時期は色数が少なく、全体的にモノトーンな景色の中で、ひときわ目立つものがありました。
梓川の河原に立ち並んで、風景に鮮やかな「赤」を添えている木々。
そう、ケショウヤナギです。
北海道の一部と上高地でしか見られない、貴重な植物です。
冬の間は枝が赤くなり、雪の白とのコントラストが目を引きます。
これもまた、この時期しか見られない姿の一つです。
河童橋まで行くと、誰もいませんでした。
「河童橋が貸し切りだなんて、いいのかしら?」
心置きなく記念写真を撮ることができました。
グリーンシーズンでは考えられない光景。
でも、いざ「誰もいない」となると、冬の寒空の下ではちょっと寂しくなってきますね。
灰色の空の雲が取れて青空が見えてきたり、午後には西から雲が湧いてきたり。
日が差せばぱっと明るく暖かくなったかと思えば、日が陰ると急に肌寒く感じたり。
刻々と変わる山の天気を肌で感じることができました。
大自然の中に身を置くと、「自然に対して敏感になる」ような気がします。
街の生活の中で忘れている「原始的な感覚」に気づかせてくれるのも、贅沢な時間かもしれませんね。
(今井 清)
2020年2月6日(木)
ずっと暖かかった冬に「今季一番の寒波」がやってきました。
しんしんと雪が降っていた翌日、どんな姿を見せてくれるでしょう?
-11℃の釜トンネルをスタート。
ヘッドライトを点けて、普段はバスで通るこのトンネルを歩いている「非日常」感に、ワクワクします。
なかなかの坂道を頑張って登った後、視界が開けた時の感動がたまりません。
寒気の影響で山は雪雲に包まれていてよく見えませんが、それでも人がいない上高地、白銀の世界は特別感がありました。
寒かったおかげで、あたりにはふわふわの新雪が積もっていました。
スノーシューで歩くには最高のコンディション。
雪の上を舞うように(?!)、ふわーっと歩く感じがたまりません。
「スノーシュー初体験」の人でも、すぐに慣れてしまいました。
慣れてくると、わざと道を外れて新雪の中を歩きたくなってきます。
河原の誰も歩いていないところを、ガシガシと歩いていきました。
雪は大人を童心に帰してくれるんですね。
子供のように雪原に寝っ転がって、ひとがたを付けたくなるのも、ふわふわの新雪ならではです。
「やっぱり雪って最高!」
開放感に包まれ、「遊ぶ」ことに夢中にさせてくれます。
日中でも-8℃くらいと気温が低く、じっとしていると寒くなってきます。
風を避けられるところに身を寄せて、カップラーメンやスープなど温かいものを作ってお昼を食べました。
温かいものは体の中から暖めてくれるので、そのありがたさを実感します。
キンキンに寒くて、雪が降って・・・、そんな環境ほど「冬」を感じることができて、うれしくなるみたいです。
(今井 清)
2020年1月27日(月)
南岸低気圧が接近し、県内に「大雪警報」が出る前日、上高地は寒くもなく風もなく、静まり返っていました。
まさに「嵐の前の静けさ」といった感じです。
ここ数日の暖かさで溶けた雪が凍り、道路はカチンカチンのガチガチのツルツル。
雪面も表面が固くてバリッとした踏み心地でした。
空は白く曇っていましたが、焼岳も穂高連峰もきれいに見えました。
白い空、白い山、黒い岩肌・・・、モノクロの世界が墨絵のようでもあり、版画のようでもあり、独特の美しさと静けさが際立っていました。
音もなく、人の気配もなく、静寂に包まれた上高地は、グリーンシーズンには考えられない光景です。
ふと視界の先に動くものを見つけました。
上高地で暮らしているニホンザルです。
よ~く観察していると、木の枝をかじっていたり、笹を食べていたり。
しばらく眺めていると、続々と出てきました。その数ざっと50匹くらい。
小さい子ザルも一生懸命生きていました。
今年は暖冬なので、彼らにとっても過ごしやすい冬なのかもしれません。
冬の上高地でたくましく生きているサルたちの姿に感動しました。
様々な動物たちの足跡が、雪上に無数についています。
彼らの世界をほんのちょっとだけ感じられるのも、冬の貴重な体験の一つですね。
(今井 清)
2020年1月12日(日)
「暖冬」「雪不足」と各地で言われていますが、上高地も例外ではありません。
先日すぐ下の地区まで雨降りだったので、「上高地もひょっとして雨が降って、雪が溶けてしまったのでは?」と心配しましたが、なんとか雪だったようで15cmほど新しい雪が積もっていました。
しかも今日は「雪」予報だったのが、天気予報がちょっとずれて、朝のうちは山がきれいに見えました。
色々とラッキーが重なっているかな?
大正池はほとんど凍っておらず、静かに波立っています。
おかげできれいな水鏡になり、「逆さ穂高連峰」も見えました。
普通だと-20℃くらいになってもおかしくないのに、この日は-5℃くらい。スノーシューで歩くには、暑すぎず寒すぎずちょうどいい陽気でした。
雪原に「フィナンシェ」みたいなのがいくつも並んでました。
「あれ、なんだろう?」と思ったら、テーブルに雪が積もっていたんですね。
高さ30cmくらいのきれいな台形。ベンチは雪の下に埋もれていたので、テーブルだと気づきにくかったです。
色んなものを隠してくれる、雪のいたずらですね。
河童橋の周辺では、梓川の土砂を取り除く工事をしていました。
去年も何回か大雨が降り、その度に川に土砂が流れ込んで、どんどん河床が高くなってしまってました。
次の大雨で川が氾濫しないために、大事な工事なんです。
上高地が閉山されている冬の間に、こうして工事をしてくれていることに感謝です。
雪に覆われて、まるでいつもと違う世界。
何回も見慣れたバスターミナルも、「あれ、こんな感じでしたっけ?」と皆さん驚かれます。
そして、誰もいない河童橋はとても新鮮。
春夏秋、そして冬を見てみると、本当に季節によって表情が違う上高地に出会えることがわかります。
(今井 清)
2019年12月29日(日)
年の瀬も迫る12月29日。
快晴となったこの日は、放射冷却で-15℃くらいに冷え込み、吐く息でまつ毛が凍ってくるほど。
夜明け前から歩き始め、大正池に着く頃にちょうど朝日が穂高連峰を照らし、白く輝き始めました。
「・・・」言葉を失うほどの美しさ。
冬はどんよりと曇った日が多く、また晴れていても穂高連峰の稜線は雲の中、ということが多いので、こんな日はめったにありません。
上高地は谷の中なので日の出は遅く、霞沢岳の肩から太陽が顔を出してくれたのは10時前でした。
すると一斉に霧氷で覆われたカラマツが輝き始めました。
やがて梓川からは朝もやが立ち昇り、幻想的な世界に。
日が当たると凍えるほどの寒さも和らぎ「太陽ってステキ!」と、そのありがたみを実感するのでした。
キンキンに冷え込んだおかげで、木々には氷の結晶がびっしり。
その1つ1つが「ざらめ」くらいに大きくて、肉眼でもはっきり見えるほど。
日を浴びてキラキラと輝く姿は、宝石を散りばめたようでした。
日が当たって気温が上がってくると消えてしまう、朝イチだけ見られるはかない宝石たちです。
冬の空は澄んでいるので、信じられないくらい真っ青な青空。
雪をまとった穂高連峰の岩肌も、くっきりはっきり眼前に迫ります。
あまりにも景色が良すぎるので、記念写真を撮ると「合成写真」みたいになってしまいました(汗)。
時間を忘れてずっと見ていたくなる景色でした。
冬の上高地は「冬山」です。
こんなに快晴になることはめったになく、吹雪けばかなり厳しい状況になります。
散策される方は上高地公式サイトの冬期入山ルールなども参考にして自己責任で入山されるか、安全のためにガイドツアーにご参加ください。
そしてもちろん、自然保護を守ってくださいね。
(今井 清)
2019年11月15日(金)
上高地閉山式が河童橋のたもとでおこなわれました。
例年だと雪が待っているのですが、この日は快晴となりました。
この日に合わせたかのように、前日降った雪で穂高連峰は白く雪化粧して、最高の景色を演出してくれています。
穂高神社の神主さんによる神事が厳粛におこなわれ、今年1年の無事に感謝の気持ちを込めます。
本当に厳かな、神聖な気持ちに包まれました。
河童橋の上まで見物客がずらりと並んでいましたが、外国人観光客の姿が多かったです。
長野県内でも各地で災害が発生した今年は、無事にこの日を迎えられたことのありがたさを例年以上に感じました。
来年も今日の日のように穏やかな1年でありますように。
上高地は明日から閉ざされ、来年4月27日の開山祭まで長い冬を迎えます。
今年1年、本当にありがとうございました。
(今井 清)
2019年11月2日(土)
厳しい冷え込みが少ない今年の秋。
各方面でも言われるように、上高地の紅葉も1週間から10日ほど遅れている感じです。
例年だと10月後半に見られている景色が、今年は11月に入って紅葉のピークを迎えているようです。
大正池には浚渫船(しゅんせつせん)が浮かんでいます。
これもこの時期ならではの光景です。
美しい大正池の景色を残していくためには、とても大切な工事だなとありがたく感じます。
シラカンバなどの広葉樹は強風で落ちてしまっていて、もう木々にはほとんど葉っぱがない状態です。
一方でこの時期目を引くのはカラマツの黄葉。黄金色に輝いている光景はとっても絵になります。
上高地の閉山式は11月15日。
いよいよ今シーズンも残りわずかになってきました。
(今井 清)
2019年10月16日(水)
朝晩の冷え込みが一桁台前半になってきました。
冷え込みと同時に、木々の紅葉も日一日と進んでいきます。
穂高連峰の紅葉は上の方から徐々に降りてきて、もう岳沢の下の方まで降りてきた感じです。
いよいよ上高地の紅葉が本番を迎えそうです。
上高地の紅葉は「赤色」が少ないので、「黄色」がメインになります。
今とってもきれいなのは、朝日を浴びた焼岳の山肌。
朝の柔らかい日差しに照らされると、パッチワークのように黄葉した姿がよりきれいに浮かび上がります。
散策していると、コハウチワカエデ、ナナカマド、サクラ類などの赤い紅葉の木もあって、ぱっと目に飛び込んできます。
ぜひゆっくりと散策してみてください。
今年の上高地大正池エコツアーデスクのは10月20日が最終日となります。
今年は紅葉が遅いので、一番きれいな時期に当たりそうです。これを機に「上高地の魅力にもっと触れる」時間を過ごしてみませんか?
(今井 清)
2019年9月25日(水)
もうすぐ10月ですね。
10月になると、上高地はいよいよ紅葉の時期を迎えます。
ダケカンバなどの広葉樹の黄葉に加え、上高地といえばカラマツの黄葉がとってもきれいです。
冷え方によって早い年、遅い年がありますが、例年10月に入ると色づき始め、中旬~下旬にかけてピークを迎えるでしょうか。
この時期は朝夕の気温が一桁になりますので、しっかりと暖かい格好でお越しください。
やまたみが主催しているガイドツアー・上高地大正池エコツアーデスクはまだ空きがありますので、ぜひ私たちと一緒に秋の上高地を楽しみませんか?
「上高地がもっと好きになる」「上高地の魅力にもっと触れる」そんな時間になることでしょう。
また、アルピコ交通では上高地・乗鞍・松本で使えるお得なフリーパスや、飛騨・高山まで使えるフリーパスがありますので、こういうのを活用してあっちこっちと楽しむのもいいかもしれませんね。
(今井 清)
2019年9月21日(土)
ご存じの方も多いと思いますが、上高地にはマイカーで入ることができません。
松本方面から来られる方は「沢渡(さわんど)」に車を停めて、そこからシャトルバスに乗り換えることになります。
この時にお勧めなのが「沢渡ナショナルパークゲート」の利用です。
今日の上高地の天気予報、今見られる植物、注意情報など、上高地に関する情報が集まっています。
また季節の風景や生き物の写真、歴史に関する展示などもありますので、バスを待っている時間を楽しく過ごせることでしょう。
10月末までは沢渡近辺の昭和の頃の白黒写真が展示されています。
貴重な写真の数々はとても興味深いものがありますよ。
沢渡ナショナルパークゲートを利用する場合は、沢渡の第2、第3駐車場にお停めください。
帰りには足湯公園でゆっくりと足湯に浸かる、っていうのもツウな楽しみ方ですよ。
(今井 清)
2019年9月8日(日)
9月に入り、空が高くなってきました。
空が澄んでくるこれからの季節は、過ごしやすい陽気にもなり、散策にはうってつけですね。
木々の紅葉よりもひと足早く、草が色づいてくる「草もみじ」が始まっています。
秋の風情が漂っていて、いい感じです。
幻想的な姿を見せる田代池
ここからだんだんと色合いが変わってくるので、日を追うごとに違う表情を見せてくれます。
1日の寒暖差も大きくなってきます。
朝夕は1枚上に羽織って、日中は脱いで・・・といった具合に、温度調節を上手にしてくださいね。
(今井 清)
2019年9月6日(金)
「夏の風物詩」の朝もやが、9月に入ってだんだん見られる機会が減ってきました。
ただ、この日は暖かく湿った空気が入り込んだことで、珍しい「夕もや」が発生しました。
18時、日が沈むと同時にだんだんともやが立ち込め、大正池は幻想的な姿に包まれました。
焼岳のシルエットと夕もやが幻想的です。
そしてこの日の夜は、大正池ホテルで月に1回開催している「ネイチャーガイドの夕べ」でした。
大勢のお客様にご参加いただき、ありがとうございました。
スライドによる解説の後、みんなで懐中電灯を持って真っ暗な大正池のほとりに降りてみました。
まだもやが残っていて低いところはぼんやりしていましたが、頭上の空は目が慣れてくるとどんどんと星が見えてきて、最後には天の川も肉眼で見ることができました。
きれいな星空に見惚れていると「流れ星」のおまけまで!
なんとも素敵な時間でしたね。
次回は10月18日(金)に開催します。
この時期は朝晩の気温が一桁台の前半になりますので、かなりしっかりと防寒対策をしてご参加ください。
(今井 清)
2019年9月5日(木)
8月末に大雨が降った影響で、一部の散策路が通行止めになっていましたが、現在は復旧しました。
大正池のほとりに降り立って見ると、水が流れた痕、山から流れてきた石、木の枝が地面を覆い、自然の脅威を目にすることができます。
「変わらない景色」ではなく「変わりゆく景色」であることを、改めて感じることができます。
散策の際には足元に十分気をつけて歩いてください。
そして、その日出会った景色を目に焼き付けるように、散策を楽しんでみると、より一層心に残るかもしれませんね。
(追伸)
迂回路は9月7日に解消されました。
これで、すべての散策路が通常通り歩けるようになりました。
(今井 清)
2019年8月18日(日)
まだまだ下界は暑い日が続きますが、上高地ではお盆を過ぎると「空気が変わる」「秋風が吹く」というように、秋の訪れが感じられるようになります。
朝晩は長袖が欲しいくらいの涼しさになり、すすきや秋の花が目立つようになり、トンボが飛び、秋の虫の声が聞こえるようになり・・・。
また湿原の色も濃い緑から少し茶色っぽく変わってきて、木々の葉の中には色づきが始まるものも出てきます。
夏が過ぎ去っていくと、なんだか寂しい気もしますが、ここからだんだんと色合いが変わっていく変化もまた素敵な季節でもあります。
これからは「避暑」で訪れるのではなく「小さい秋」を見つけに訪れてみてください。
きっと色んな発見があることでしょう。
春・夏・秋と駆け足で駆け抜けていく上高地。
ぜひその日その瞬間の風景との出会いを楽しんでくださいね。
(今井 清)
2019年8月11日(日)
散策をしていると、普通にすれ違う上高地のサルたち。
でも、この時期はやっぱり暑いのか、朝夕の時間帯は見かけることがありますが、日中はあまり出会いません。少し山の方に上って、涼んでいるんでしょうね。
「かわいい」とあまり近づきすぎるとサルたちもびっくりして威嚇してきますので、遠くで観察してください。
また絶対に食べ物は与えないでください。
現在、バスターミナルにあるインフォメーションセンターの2階で「上高地のニホンザル写真展」を開催しています。
様々な表情を楽しみつつ、サル達との付き合い方を考えるきっかけにしてみてください。
(今井 清)
2019年7月31日(水)
長野県もようやく梅雨が明けました。
と同時に、全国的に猛暑に襲われていますね。
松本市街地も35℃の猛暑日となっていて、焼けるような暑さです。
そうなると、さすがの上高地もかなり暑くなり、25℃に達します。
25℃というのは、散策するにはかなり汗をかく暑さです。
しかも施設と施設の間が3km、歩いて1時間ほど離れていますので、必ず飲み物を持参し、早め早めに休憩するなど、熱中症にご注意ください。
幸い、木陰に入るとずいぶん暑さが和らぎます。
また、梓川の水はとても冷たいので、手や足を入れるとかなり涼めます。
なお、上高地にお泊りのお客様は、朝晩は15℃くらいになります。
夜、星を眺めたり、早朝散歩をされる際には上着が必要になりますのでお忘れなく。
それにしても、「上高地で熱中症に注意」だなんて、冗談のような話ですよね。
(今井 清)
2019年7月28日(日)
小学校が夏休みに入った最初の週末。
早速小さなお子さんを連れた家族連れの姿がたくさん見られました。
下界は軒並み30℃を越えているので、上高地に降り立つと皆さん「涼しい~!」と感激されています。
梓川の河原に降りて、水の中に足をつける子供の姿も。でも水が冷たすぎて、みんなすぐに陸に引き上げていくんですが・・・(汗)。
せっかく来られるのであれば、ぜひ1日ゆっくりと大自然を楽しんでいってください。
きっと素敵な夏休みの思い出になることでしょう。
ただ、見ていて気になることがあります。
半袖、半ズボンの子供をよく見かけますが、虫もいますし、切れたり棘がある植物もあります。自然の中の散策は、肌を出さないことをお勧めします。
花や植物をちぎっていたり、生き物を捕まえようとしている子供がいます。上高地に来たら「自然を守る」ということを学ぶ場にしてあげてください。
最近は上高地も暑くなり、顔を火照らせてフーフー言っている子供がいます。水分補給をこまめにして、熱中症に気をつけてください。
梓川ではみんな石を投げて「水切り」をやりたくなりますが、対岸まで飛んでいくことがあり危険ですので投げないでください。
ぜひ安全で楽しい時間をお過ごしください。
(今井 清)
2019年7月21日(日)
7月20日を過ぎると、いよいよ「夏山シーズン」という時期を迎えます。
北アルプスに登る人、上高地に観光に来られる方が増えてきます。
そろそろ梅雨も終わって、晴れる日が増えてくることでしょう。
下界の暑さから逃げてきて、避暑地として訪れるにはうってつけの上高地。
せっかく来たのに2~3時間の滞在ではもったいない。
「上高地に宿泊」するのが断然オススメです。
夕暮れの静けさ、夜の星空、朝の爽やかな空気は、泊まった人だけが体験できる特権です。
今年の夏は、上高地に泊まりに来てください。
(今井 清)
2019年7月7日(日)
気がつけばもう7月ですね。
この間まで「新緑がきれい~」と思っていたら、雨と気温の上昇にともなってその緑はすっかり深まりました。
今は「気持ちのいい森の中を歩いてるわ~。空気がおいしいわ~。」と感じられます。
雨が降ると森の色は一層深まり、空気はさらに濃くなる気がします。
こんな時期はのんびりと歩いてみてください。
いっぱい深呼吸をしてみてください。
森の中に溶け込んで、心も、体の細胞も、みずみずしくリフレッシュされるようですよ。
(今井 清)
2019年6月2日(日)
6月2日は第73回ウエストン祭でした。毎年、第1日曜日に開催されているこのお祭りですが、今年は穏やかに晴れました。
ウォルター・ウエストンさんは日本の山々の美しさを世界に広めた方であり、登山文化を日本に伝えてくれた方でもあります。ウエストン碑の前でセレモニーが行われたり、地元の小学生による歌が披露されたりします。
ご年配の方の中には毎年、「年に1回ウエストン祭で会う」という方々もいて、さながら「同窓会」のようです。「元気だったかい?」という会話と笑顔があちこちで見られます。
前日の土曜日には、「ウエストンさんの足跡をたどる」ということで、ウエストンさんが歩いた島々から徳本峠を越えて上高地へ入るというルートを歩く記念山行も行われます。20kmとハードな峠越えですが、ウエストンさんに思いを馳せて歩いてみると、バスで来るのとは違って、感慨深いものがありますね。
そして、「コレクション」にされている方が多いのが、「記念のピンバッチと手ぬぐい」です。毎年デザインが違い、第◯回と印刷されているので思い出に残る一品です。
道が整備され、スカート姿の女性も行き交う上高地ですが、ここから見上げる穂高連峰の姿は、ウエストンさんが見たのと変わりないのでしょうか。
(今井 清)
2019年5月26日(土)
早朝、明神橋のワイヤーをぞろぞろと渡ってくるサルの一行に遭遇しました。
通常の倍くらいの群れで、ちょっとその数に驚いてしまいました。
見ていると「子連れ」の多さが目立ちました。
おんぶをしながら渡ってきます。
お腹に赤ちゃんを抱っこしたサルもかなりいました。
歩いても走っても、しっかりと捕まっています。
平然と真横を通り過ぎていきます。
こうした親ザルの子は、警戒心を教え込まれないので、やはり警戒心のないまま成長してしまいます。
今年の冬は暖かかったり、雪が少なかったりしたため、たくさんの子ザルが産まれたのでしょうか?
サルの数が倍増しそうなほどの子ザルの数でした。
本気で取り組みを開始しないといけない時期に来ていると感じました。
(今井 清)
2019年5月18日(土)
急に暖かくなり、陽が出ていると汗ばむくらいの日もあります。
朝との寒暖差が大きいので、温度調節のできる服装でお越しください。
この時期人気のニリンソウが一気に咲きました。
写真を撮る時に、足元の花を踏まないように注意してくださいね。
あまり数は多くないですが、森の中でオオバキスミレも咲いています。
鮮やかな黄色はとっても目立ちます。
ちょっと地味で目立たないですが、エンレイソウも咲き始めました。
これから大きくなると、花より先に特徴的な葉っぱで気がつくかもしれません。
ガイドに人気なのがカラマツの新芽です。
筆の先のような新芽が枝にいっぱいに付いている光景は、とっても可愛いですよ。
続々と色んな花が咲き始めて、にぎやかくなってきました。
早朝は野鳥のさえずりもにぎやかなので、目をキョロキョロさせつつ、耳もすませて散策してくださいね。
(今井 清)
2019年5月11日(土)
連休に散策路に残っていた雪はすっかり解け、歩きやすくなりました。
雪が解けると、草木の芽吹きが一気に始まります。
柔らかい新芽は、見ていて可愛いですね。
目にも優しい、淡い緑がきれいです。
あっちこっちに葉っぱが出ているので、見つけてみてくださいね。
この時期はまだ葉が茂っていないので、森は明るく、見通しがいいです。
水辺ではネコノメソウが咲いています。
緑色をしているので葉っぱのように見えるかもしれないですね。
とっても鮮やかな色をしているので、すぐに目につくと思います。
(今井 清)
2019年5月2日(木)
連休後半に入りました。
天候が良さそうということもあって、多くの観光客が来られています。
雪解け水が流れ込んでいる水辺は、どこも透明です。
水草の緑もきれい。
雨が降ってずいぶん雪が溶けましたが、まだ残っています。
水たまり、ぬかるみが多いです。
「通行止め」は「通行注意」に変わりました。
転んだりしないように、くれぐれも気をつけてください。
土日の午後は、バスターミナルから下る人が集中して、バス待ち行列ができそうな気がします。
じっとしていると寒いので、暖かい服装をお忘れなく。
(今井 清)
2019年4月27日(土)
アルプホルンの演奏に続いて、穂高神社の神主さんによる神事がおこなわれ、今シーズンの山の安全を祈願しました。
関係者一同、事故や災害がないことが何よりの願いです。
吹雪の中、アルプホルンの演奏で幕を開けました
頭を下げ、神主さんのお祓いを受けます
気温は2℃くらい、風が出てきて、雪が真横に吹き流れ、じっとしているととても寒かったです。
今年は連休の初日、しかも10連休とあって本当に多くの方が見にこられました。
発表によると3,500人の人出だったそうです。
神事の後は、ビジターセンター前で野宴が開かれ、シートを広げて振る舞い酒を楽しむ人が大勢いるのですが、あいにくの天気だったので、皆さん立ちながら升酒を飲んでいる姿が目立ちました。
何はともあれ、無事に祭りが終わり、今シーズンがスタートしました。
今年はどんな表情を見せてくれるのか、ワクワクしますね。
(今井 清)
2019年4月20日(土)
快晴であまり寒くなく、気持ちのいい日になりました。
青い空に白い穂高連峰、絵のような美しさです。
しっかり除雪がされているところは、「雪の回廊」みたいになっています。
ただ、下は「雪」というより「氷」です。
カッチカッチのツッルツルです。
雪がないところは水たまりとぬかるみです。しっかりとした靴が必須ですね。
除雪が追いついていないところは、「通行止め」です。
残念ながら、大正池~バスターミナルまでの遊歩道はまだ「ほぼ通行止め」です。
それでも、鳥たちはさえずり、草木は芽吹き始め、ふきのとうが顔を出しています。
雪が溶けたところから、一斉に春が始まるよう。
生命力がみなぎるこの時期は、ウキウキしますね。
今年のGWは10連休ということで、予定されている方も多いことでしょう。
日中は暖かくても朝晩はぐっと寒くなりますし、天気が悪ければ雪が舞うことも。
しっかりとした防寒対策を忘れずに。
(今井 清)