野生動物の調査
[社会教育][環境保全]
地域・行政諸機関や民間のコンサルタント会社等との協働事業の一環で、「野生動物の調査」などの調査協力を行っております。
冬に野生動物の調査を行いました。朝あらかじめ決めておいた山にチームで入って調査を行い、午後は移動してまた別の山に入るといった形で、1日に2箇所ずつ行いました。調査した結果は細かくメモするとともに、写真を撮影し、記録していきます。また各自ばらばらに行動するため、定期的に無線で連絡を取り合い、安全確認を行いました。
調査方法、手順の確認
「登山する山」ではなく「普通の山」の中を調査するため、基本的に道はありません。ある場所では背丈ほどの笹をかき分け、ある場所では生い茂った木々が行き手を遮ります。目の前に崖や急斜面が現れることもあり、雨でぬかるんでぬるぬるに滑る道もあります。
自分がどこにいるかをGPS、コンパス、地図を駆使して把握し、自分の担当区域を確認しながら調査するとともに、集合場所を目指す必要があります。
非常に体力、知識、技術、経験が必要な作業であり、一般の人なら「普通に遭難」するレベルの環境の中、安全に踏破し、集合時間に集合場所にたどり着くことができるのは「山のプロ」だからこそと言える現場でした。
道なき道をかき分けて歩きます
闇雲に探し回っても、広い山の中で野生動物を見つけることは難しいです。習性、行動を推測し、いそうな場所に狙いを定めます。あるいは物音や鳴き声に耳を澄ませます。
獣道は重要な手がかりになります。獣道を根気よくたどっていくと、フンを見つけることがあります。足跡やフン、食痕といった痕跡も記録しました。
大量のフン
晴れの日ばかりではなく、雨の日もありました。冬の雨はとても冷たく、指先から体の芯まで冷えてしまいました。
また標高が上がるとしっかり雪となり、一晩であっという間に積もってしまうことも。腰までのラッセルとなった日は一向に前進することができず、体力が奪われました。
こうした過酷な環境の中で調査を遂行できるのも「山のプロ」ならでは。今後も協業して調査できるよう努めます。
自然環境の保全を進めるためには、現状把握が欠かせません。徹底した調査、そして定期的な調査を続けていくことで実態をつかみ、然るべき対策につながっていきます。また今回の経験を広く皆様に伝えていくことで、環境保全の啓発活動を進めていきます。
腰まで雪に埋もれながらラッセルして進む